アイリッシュ系音楽のセッションでギター伴奏する時に気をつけたいこと(奏法編-1)

mho1

前回はチューニングについて色々書いてみました。

アイリッシュ系音楽のセッションでギター伴奏する時に気をつけたいこと(チューニング編)

で、実際の伴奏に関してですがアイリッシュ系音楽のセッションで行うギター伴奏については全く自由ですよ。

何してもOK(^_-)

要はアイリッシュ系らしくない音使いやリズムの取り方以外なら何でもありです。

と言ってもわからないので代表的なパターンをあげて少し書いてみると。

先ずはこの人。

Michael O’Domhnaill(ミホール・オ・ドネール)

The Bothy Bandで活躍しその後は幾つもの伝説的なバンドを渡り歩き日本にも遊佐未森(ゆさみもり) さんのアルバムに参加する等活動を行っていた方で個人的にはギターも歌もメチャメチャ好きな人だったのですが数年前に心臓発作で亡くなってしまいましたね。

とにかく好むと好まざるに係わらずアイリッシュチューンを伴奏するエッセンスの全てが彼の演奏の中にあります。

チューニングはDADGAD でカポを使用したオーソドックスなスタイルですが間の取り方、コードセンスは一度、コピーしつくしても良いかと思います。

基本はカポを使用するのでDフォームと同じDフォームのマイナーバージョンのみ。

彼の演奏はホントに単純な事しかしていません。

でもセンスがあればこれだけの演奏になるんだなぁ~ってことがよくわかる良い例ですね。

ミホールのスタイルってコードストローク以外の場合は最初にベース音を弾きそのコード内の高音をストロークするだけなんてすよね。

口で言うと、トゥンカカ って感じで。

ちなみに此処でズッチャン、ズッチャンなんてやってしまうとアウトです。

違う体系の音楽になってしまいます。

カポに関しては素直に各キーに合わせてカポの移動で対処しています。

但しBm なんてキーになると9フレットにカポとなります。

実際に9カポの時はこんな感じですが。

曲の最初はミホールのリルティングから始まります。

もう私の大好きなBmチューンが連続で演奏されています。

このトゥンカカの部分と盛り上がってきた時にベースを強調した変化の付け方も憎いです。

3:40辺りから2曲目に入るのですがここでそれまでのトゥンカカからベース音を強調した弾き方に変わります。

これは動画で観るとあまりわかりませんがレコードやCDで聴くと6弦9カポのBの音がドーンと入ってきてゾクゾクしますよ。

同じく今度はキーがAのメドレーを行っています。

この当時はメドレー中にキーをドンドン変える事はあまり無い感じがしますね。

ここ最近は伴奏者の事は二の次でドンドン、キーが変わる事が多いですが。

しかし彼がギターを演奏した場合に凄いのは先にも書きましたが間の取り方のセンス。

ボシーでプレイしている時にはそんなに目立たなかったのですが、

[mryl]QvXexILZ8sY[/mryl]

The Bothy Band解散後のソロ活動からはそれまでThe Bothy Bandの音に埋もれていた彼のギタープレイが目立ってきます。

ビン・バークとのデュオアルバムでは一つの完成された伴奏が聴けます。

ちなみに上の動画では2カポのAフォームでBmのキーを演奏していますね。

ミホールはトゥンカカって感じで演奏するのてすが各音の粒が見事な位に揃ってますよ。

二人で演奏している、 アルバム、

Portland
Portland

Promenade
Promenade

ではその真髄が学べます。

ちなみにこれらのアルバムでは先のトゥンカカ以外にも普通にコードストロークしていますが巷のフォーク系ギターストロークではなくもっとタイトなリズムで演奏されていますね。

この2枚のアルバムではギターの演奏も素晴らしいのですがとにかくミホールの歌が素晴らしすぎます。

特にPromenadeのCoinleach Ghlas聴いたらもうミホールのとりこになってしまいますよ。

こちらですね。

こちらも昔、音をとらしていただきました。

間奏で入るチョーキング部分がいい味出してますね。

それとPortlandに入っているBreton Gavottes の演奏。

このリズムの刻みは始めて聴いた時には泣けました。

Gavottesは単純な2拍子の曲もあるのですが変拍子もあるんですね。

この曲ではその変拍子感がすごく良い味出しています。

また実際のBreton系ユニットの演奏ではボンバルディと呼ばれる超絶大きな音のするチャルメラ系の楽器とこれまたパイプ類の中では最高音域、且つ大きな音のするビニュー・コズというバグパイプによる掛け合い演奏が定番なのですがそれをフィドルの多重録音で再現しています。

こんな感じですね。

側で聴くとマジ、ヤバいレベルの音圧です^^;

如何だったでしょうか?

そしてリズムの刻みの話で書いておきますとJigの伴奏はホントに大変。

単に八分の六拍子なので音的にはツタタツタタですがそれを伴奏する時にはかなりの神経を使います。

例えばオルタネイトで演奏する場合はDUDUDUという形で1小節を演奏する事になると思うのですが此処最近の傾向ではDUDDUDの様に演奏する人が増えてますね。(※Dはダウンストローク、Uはアップストローク)

これは元々テナーバンジョーやマンドリンを演奏する場合によく用いたピックの使い方なんですが伴奏時のストロークにも使用される様になっているみたいで。

で、正直言いますと私はDUDDUDのストロークから出されたギターのリズムは

大っ嫌い

です。

何故かと言いますと大抵このパターンで伴奏すると DUDDUD 赤のダウンの部分にアクセントを置く事が多くなりリズムが非常に明快になり過ぎる気がするからです。

自分的にはJJigはもっとねちっこく気持ち悪く陰鬱な部分が欲しいわけでして。

先のミホールは実際にはどうい弾き方をしているかと言いますと、こんな感じですね。

DUDUDUで全編通しています。

でもよく聴いてみてくださいね。

アクセントの位置が物凄く気持ちよく移動しているのがわかりますか?

アホの一つ覚えみたいにDUDDUDではないんですよ。

例えば、

2:35の辺りはDUDUDUDUDUDU(でも単純な頭アクセントではありませんが)

4:30の辺りはDUDUDU

更に4:16や4:50あたりのDUDUDU(ん)って3拍子なノリも見逃さないで下さいね。

ストロークの様子を見るなら3:10辺りからがわかり易いと思います。

あくまでも右手のストロークはDUDUDUでアクセントを置く位置で変化を付けるやりかた。

お気に召すかどうかはわかりませんが注意して聴くととても面白いですよ。

先ずはDADGADの神様、Michael O’Domhnaillに関してちょっと書いてみました。

また続きますよ(^_-)


コメント

  1. ゆたか より:

    難しい事は、まだよく解りませんが、とても渋い音のギタ‐だと思います。
    ストロークのアクセントが、とても、面白かったです。
    今後とも、色々、紹介してくださいね。

  2. こいけさん より:

    >ゆたかさん
    感想ありがとうございました。
    ミホールのギターはホント、むつかhしいことはしていませんがそのセンスはピカイチですので注意して聴かれると勉強になるかと思います。

  3. ジャムおじさん より:

    私もこの弾き方に賛成です。この前YouTubeを見ていたらUDDUDDで弾く人いてびっくりしていました。
    それなりにリズムになっていましたが。

  4. こいけさん より:

    > ジャムおじさん
    コメントありがとうございます!!
    うれしいです。
    今は私も色々弾き方変えますがそれでも基本はやっぱりミホールさんがベースになってます。
    ちなみにバウロンの方はUDDUDD派の方も多いみたいですね(^_^.)

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