Northumbrian Small Pipes

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    ノーザンブリアンスモールパイプスの説明

    概要

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    ※ 上のパイプ17キー Northumbrian Small Pipes key of F
    ※ 下のパイプ 7キー Northumbrian Small Pipes key of G

    グレートブリテン島中部のノーサンバーランド地方 で使用されているバグパイプです。

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    起源に関しては諸説在るのですが今日では同時期に使用されるようになったクラシック楽器として唯一、認められているフランスのバグパイプ、ミュゼットから派生したと考えられています。

    ですので構造的にも非常によく似ていますよ。

    呼び名ですがノーザンブリアン・スモール・パイプやノーサンブリアン・スモール・パイプ、ノーサンブリアン・パイプ等、呼ばれていますが名前が長いので普通は名前を短縮してNSP(エヌエスピー)なんて呼ばれています。

    当該記事でもノーザンブリアンスモールパイプスだと長いのでNSP表記を各所に使用しています。

    よくスモールパイプなんていわれますが其れは間違ってますよ。

    スモールパイプはパイプ固有の名前ではなく小型のパイプ全体を指す言葉ですので。

    あと、小さい奴なんて言い方も止めて下さいね。

    失礼です(^_^.)

    構造

    NSPもアイルランドのイーリアンパイプス同様ひじの下に挟んだフイゴを使用してバックに空気を送り込みます。

    ふいご(バックに空気を送る装置)

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    チャンター管(メロディーを演奏する管)

    NSPでもメロディーを演奏する管はチャンターと呼ばれています。

    ただしNSPは他の多くのパイプとは全く違ったチャンターを持つパイプです。

    それはチャンターの端が塞がっていることです。
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    赤丸部分がチャンターの端ですが穴が空いていません。

    したがって全ての指穴を押さえると音が止まってしまいます。

    これにより指を上げたときにしか音が鳴りません。

    チャンターには8つの指穴があるので全部で8つの音が出ます。

    前面に7つ、後ろに1つですね。

    これは大抵のパイプがそうなっています。

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    ちなみに古いNSP用の曲は大抵1オクターブに収まる曲になっていたので8つの穴だけで足りていました。

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    ※ NSPの定番曲 Lads of Alnwick

    その後、多様な曲の演奏や他楽器と合わせる必要から使用する音域が広がりその広がった音を出す為、チャンターにキーと呼ばれるレバーが付くようになりました。

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    ※ チャンター表面に沢山の突起物が出ていると思いますがこれがキー

    そのキーの数によりチャンターが出すことが出来る音域には差があります。

    通常は7キーのものがよく使われます。
    7キーでは以下に示すような音域を出す事が出来ます。

    キーが付いた事によって演奏する事が多くなってきた代表曲。

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    ※2パート目に上にAの音が出ていますね。これはキーがないと演奏できません。

    通常、NSPはキーがF(一番下の指穴を開けた時の音)なのですが便宜上、譜面ではGを用います。(以降、このサイトでもGを基音として説明します。)
    7キーのノーザンブリアンスモールパイプスの音域
    (※ レンジ表示画像 D.G. BURLEIGH氏のサイトから参照)

    D、E、F#およびC#、D#、a、bが付加されたキーにより出すことが出来るようになった音で大抵の曲はこのチャンターを使用すれば演奏する事が出来ます。

    ホイッスルの音域とほぼ同じですね。

    7つより多くのキーが付く場合は次の様に演奏できる音が拡張されていきます。
    (7キーのレンジを元に付与される意味です。)

    * 9 Key 二つのG#
    * 11 Key 二つのG#、二つのFナチュラル
    * 14 Key 7-keyのレンジが全てフルクロマチック
    * 17 Key Bから bまでの2オクターブがフルクロマチック

    ドローン管(一定の音を出す複数の管)

    凡そバグパイプに分類される楽器にはこのドローン管が付いています。

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    NSPの場合、大抵4本のドローン管を持っていますが他のパイプとは違った構造をしています。

    それはドローン管1本に付き複数の音を出すことが出来るようになっています。

    その仕組みはドローン管の途中に穴を空けその穴をスライド式の筒が塞ぐ形になっています。

    その筒にも穴が空いており出したいドローン音の穴の位置の筒をスライドさせ筒に空いた穴をドローン管の穴にあわすとそこから音が出るようになります。

    これらの動作は演奏中には出来ませんが幾つかのキーのドローンを予め出すようにすることが出来ます。

    マイナー調にあわせたドローンもなかなか良い感じですよ(^_-)

    特徴

    先ほども書きましたがNSPは他のバグパイプと構造が大きく違っている部分があります。
    それはチャンターの端が塞がっていることです。

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    ※ 上記、赤丸部分がチャンターの端ですが穴が空いていません。

    つまり指を上げた指穴の音しか鳴りません。

    しかもNSPでは必ず一度にひとつの指穴のみ空けるという原則で演奏されます。

    すると音的にはどうなるか?

    指を上げている間しか音が鳴らないのでその穴を閉じると完全に音が止まり音と音との間に必ず無音状態が入ります。

    実際にNSPの演奏を聴くとわかるのですがこの明確な音と音の間の無音状態があると凄くハキハキとして音になります。

    演奏法

    NSPの演奏法(指使い)は他の多くのバグパイプにくらべるとかなり単純です。

    それは先ほども少し説明しましたがNSPではチャンターの末端が塞がっている為、全ての指穴を塞ぐと空気の流れが遮断され音が止まります。

    ですので隣り合った音を切る場合に他のパイプでは当たり前の様に使用する高度に体系付けられた装飾音を使用しなくても音と音を完全に切る等ができます。

    メロディー音のみ演奏すれば良いのです。

    ただし良いことばかりではありません。

    NSPを手にした多くの方が挫折し部屋の片隅にしまい込んだりオークションに出されているのは何故か?

    それはこのパイプの特殊な指遣いが人の通常行っている指の動きを無視した動きを含んでいるからなんですよね。

    其れは

    ・ 一度に上げる(空ける)指の穴は必ず一つ。
    ・ 次の指を上げる前には必ず一旦、全ての指穴を塞ぐ。

    と言う動作の為です。

    例えば右手の小指を上げいったん閉じてから薬指だけを上げる。

    更にその逆。

    更に他の指をこの動作に追加する。

    するとどうでしょう。

    一旦全ての指を塞ぐ動作が入るだけで他の管楽器をバリバリ弾ける方々でも途端に思うように指が動かなくなったかと思います。

    特にアイリッシュパイプやってると薬指、小指はニコイチで動かす癖が付いているのでこの動作に慣れるまでは本当に辛いです。

    普通、薬指だけを高速で上下させるなんてしませんので。

    これが皆さんが挫折する原因です。

    逸れを克服すれば他のパイプでは味わえない気持ちよさが待ってますよ(^_-)

    参考動画

    先ほど譜面を掲載しましたがその実際の演奏動画。

    基本的にNSPはキーがFですのでFキーチャンターの名手、Kathryn Tickellさんです。

    どうですか?

    メロディーが強力にスタッカートで演奏されていますね。

    これは早いラインの演奏でも必ず守られる法則です。

    スローな曲では意図的にレガートに演奏するときもありますが。

    次はそんなスローなNSPの定番曲のメドレー。

    こちらもKathryn Tickellさんです。

    そしてDキーのNSPの名手、Dick Hensoldさん

    GキーのチャンターやFキーのチャンターと比べても凄く落ち着いた音色ですね。

    最後は私が個人的にもっとも好きなChris Ormstonさんの演奏を幾つか。

    Chris OrmstonさんはGのチャンターを使用していますよ。

    次の曲は丸々コピーさせていただきましたが未だに早いラインのところがレガート気味になるのでライフワーク的に頑張っていこうと思っている曲です。

    おススメ音源

    やはり入手のし易さからKathryn Tickellさんでしょうか。

    Northumberland Collection
    no3

    全編NSP(^.^) 優しい音色に癒されますよ。
    Best of

    良い演奏が詰まってます。
    こちらもおススメ。

    次はDキーのNSP使いとしては別格の上手さ、Dick Hensoldさんのアルバム。

    Big Music for Northumbrian Smallpipes