リードに対する調整その2
ブライドルの調整とリードの開き具合
前回、リードをどれ位、チャンターに差し込むかで音程が変るという話しを書いたのですがリードを調整する場合チューニングできる個所がありますので更にそれを説明。
先ずは図を示します。
左図においてAで示されている長さでリードの音程が変わります。 ただし演奏性と音質も変わります。 Aの長さを短くする(実際にはBridleをリードの先に移動させる)とリードが開きます。 (リードが開くとは次図で示しているBの部分が広がる意味) すると音程が下がりますがそのかわり音が大きくなります。 そしてリードが開くとそれだけ多くの空気が流れないとリードが振動せず且つ強い圧力が必要な為、強くバックを圧縮しないといけなくなりません。 なのでリードを開くのはある程度、パイプの演奏に慣れ一定の圧力でバックを押さえる事が出来るようになってからが良いと思います。 |
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右図、Bで示されている部分がリードの開き具合です。 これはリードを前から見た時を図にしたものです。 ここの開き具合でリードの演奏性が変わります。 Bridleの説明でも書きましたがリードを広げると同じリードの厚みだと大きな音になり且つ音程は下がります。 このリップの開き具合の調整はBridleをラジオペンチなどで挟む事によって変えることが出来ます。 |
リードを広げる場合、この図の様にBridleをラジオペンチで挟みます。
少しずつ力を入れてくださいね。
入れすぎたらパキって感じでリードにクラックが入っちゃうので。
逆に開き具合を少なくする場合、この図の様にBridleをラジオペンチで挟みます。
広げる時と同じように少しずつ力を入れてくださいね。
入れすぎたらパキって感じでリードにクラックが入っちゃうので。
調整の方法と手順
リードの調整をする場合、調整方法によっては同じリードとは思えない位の変化がおきます。
したがって少しずつ少しずつひとつの調整方法を行う事により自分のリードではどのような変化が起きるのかをメモするなり心に止めて実施する必要があります。
さらに此処に書いている事は残念ながら全てのリードに当てはまる事ではありません。
というのはリードを調整する段階で既にそのリードがどの様な状態になっているかわからないからです。
したがって以下の調整に当たっては幾つかの前提条件を先に書いておきます。
- 調整中はリードの厚みを替えない(削ったりしない)
- 調整中はリードのチャンターへの差込量を一定にする(Bridleの調整や開き具合を調整している間)
- 調整中は出来れば同時に二つの調整を実施しない方が良い
これは次の様な理由によります。
チャンターの音程、音色、演奏性を決める要素は多岐に渡っています。
それを同時にやってしまうとどこを触った為にその調整が成功したのか失敗したのかわからなくなってしまうからです。
例えばリードの開き具合を調整してからチャンターへの差込量を変えてしまう調整をした場合、ラッキーな事にその調整が成功したとしても次回同じような調整をする必要が出てきた場合、どの様に調整してよいのかわからなくなるからです。
詳細に書くと、
1.リードの開き具合で調整。でも上手くいかなかった。
2.リードの差込具合で調整。これでOK。
という事がわかれば、その日の湿度と温度の時にはこれくらいの開き具合でこれくらいの差込を行えばOKと言うことがわかります。
更にその日の温度と湿度では幾らリードを開いてもそれだけでは調整が出来ないと言う事もわかるわけです。
こういう地味な事を積み重ねていくと複数の調整個所を触っても大丈夫な様になってきますので慣れるまではひとつの調整を順番にやっていき且つそれをメモする位の勢いがあったほうが良いかと思います。
次回は、今までに行った、
- リードの差込具合
- Bridleの位置
- リードの開き具合
を総合的に実施して具合的にどのように調整を行っていくかについて書きたいと思います。