だいぶ前に何気に買ったアルバム、
Big Music for Northumbrian Smallpipes
で知った方なのですが。
Kathryn Tickell さんみたいに派手な演奏やパフォーマンスをするわけではないのですがNSPの良いところを全て出してくれる演奏がとってもすきなんですよね。
とくにソロ若しくはNSP同士のデュエットでハーモニーを楽しむ部分についてとっても造詣が深い方で。
実際にパイプ関連の研究をされている方でNSPのほかにもスゥェーデンのバグパイプであるSäckpipaやウェールズのPibgorn、スコットランドのパイプ全般などを演奏され更にインドやアジア系の音楽にも精通されているオモシロイ経歴の方です。
先ずはNSPの演奏を。
NSPではよくハイランドチューンが演奏されます。
音域が演奏しやすいのとハイランドチューンで行う複雑な装飾音もNSPのスタッカートな奏法に置き換えると非常に単純化され演奏しやすくなるためです。
と言ってもハイランドとNSPの運指は1音ずれててましてこれが結構両方演奏していると譜面見た時にアレレってなってしまうんですよね(^_^.)
暫く弾くとなれるけど持ち帰るとまたアレレって感じで
次は典型的なNSP演奏って感じのJIGメドレーを。
この動画を観ているとチャンターの下をひざに付けていますよね。
これをやるととても弾き易くないります。
NSPは実際に演奏するとわかるのですがパイプと言うよりとてもキーボード的な楽器なんですよね。
チャンターにゴチャゴチャ付いているキーを操作する時、左右の親指も離さないといけない瞬間があってまるでキーボードを弾いている様に目的の音の穴だけを開ける動作をします。
上手く伝わり難いのですが・・・
つまりキーボードのキーが一直線ではなくてチャンターの周りを囲んでいるような感じなんですよね。
だからひざの上に置くととても安定して演奏しやすくなって。
でもこれをやると立って演奏した時にとっても演奏するのがしんどくなったりしまして。
今はキーを多用する時は下を付けて座って演奏。
ノリで攻められる簡単な曲は立って演奏って分けています。
アイリッシュパイプの座ったままって呪縛からやっと離れられたのに座ったままって悲しすぎるので(^_^.)
話は戻って次はスゥェーデンのバグパイプであるSäckpipaの演奏。
このSäckpipaは単純だけど他のパイプにはないオモシロイ特長がありますよ。
それはメロディーを演奏するチャンター管とドローン音を出すドローン管が全く同じ形状のリードを使用しています。
しかも同じ音域。
他のバグパイプでは通常、チャンターリードとドローンリードの形状が異なっているので音質が違うんですよね。
若しくは同じ形状のリード使ってても音域が異なる。(ドローンは1オクターブ下とか5度の音であったり)
スゥェーデンのバグパイプであるSäckpipaの場合、ドローン管はチャンター管の指穴を全て押さえた状態から一つ指を離したのと同じ状態で鳴り続けているわけです。
するとどうなるか?
メロディーを演奏しているチャンター管の指穴をドローン管と同じ音程まで塞ぐと人の耳にはチャンターの音が消えてしまったように聴こえます。
実際はドローン管と同じ音程で鳴っているんですが。
これ現象を利用して明確に音を切りたい場合、NSPの様にメロディーを演奏した後にドローン管と同じ音程まで指穴を塞ぐ動作をします。
するとあたかもNSPみたいな演奏が出来るんですよね。
音が綺麗に切れているみたいな。
更にチャンター管と音質が同じなのでとっても癒される音になります。
他のパイプが前に出てくるのに対してSäckpipaは周りを包み込む様な繊細さがあってとっても好きです。
話は逸れましたがこういう造詣の深い演奏が出来る様になればと思います。
でわでわ。