YOASOBIのおと

イントロ

まず自分はYOASOBIの曲が凄く好きです。

もうこういう書き出し書くの恥ずかしいくらいの歳ですけど。

でもそんなYOASOBIが色々言われてるのでちょっと書いてみる。

最初に聴いたのは彼らのデビュー時期とはちょっとずれてて2020年の年始位かな。
「夜に駆ける」をAmazonのあなたにオススメ。みたいなので聴いてなかなに面白い構成の曲と上手いボーカルの人だなぁ~ってのが最初の印象。

夜に駆ける – 幾田りら(インスタライブ 2020.03.26)


それから「ハルジオン」で完全に凄くエエヤンってなったんですね。

YOASOBI「ハルジオン」Official Music Video

で、そんなYOASOBIですが去年、紅白に出演したあたりから彼らの楽曲の音質や音圧等から叩かれてる記事を目にするようになりまして。

気にする人は気にするんだぁ~って思ってました。

先にまとめを書いとく

長々と書いてますが読むのしんどいやん。って方のために大まかなまとめを書くと。

  • 音楽を聴くのに音楽を楽しむ事よりも音の表現手段(音質や音色)が先に来ると音を聴く幅が狭くなるんじゃない?
  • 先入観なしに聴いてみたら?
  • 味わう前から止めたらもったいないよ。
  • それでも合わなければそれは合わないんだしそれが悪いって事はないと思う。

というお話です。

で、何があかんの?

おおまかに批判されている部分は、
・音色がしょぼい。
・音圧が無い

って事で。

少し説明すると。

音色がしょぼい

これって自分で音楽作ってる人ならわかるんですが。

彼らの曲で使用されている音色が市販のシンセサイザーや音源に入っているものをそのまま使ってるやん。って事で。

ほら安いキーボード買ってもピアノの音とかオルガンの音とか入っていますよね?

あの音の事をプリセット音って言います。

更に今は世界中の楽器の音をサンプリングした音源集なんてのも売ってます。

今は実際に楽器弾かなくても本物の音が手に入ります。

ただ音楽を生業にしている人って楽曲を作る時はたいてい非常なこだわりがあって市販されている楽器の音やシンセサイザーに最初から入っている音って殆どそのまま使わないんですね。

だってネタバレカッコ悪いってのもあったりするから。(私はこだわりないですよ)

なのでたいていの造り手さんは音質を自分好みに近づけるため細かい補正や他の音を重ねたりします。
結果、その人独自の音になったり他の音を邪魔しない音になったりするわけです。
でもそれが無いやん。YOASOBIの音には。

そう、ネタバレする音を使ってたりしてるのカッコ悪い?って意見。

ええやんか別に。

音圧が無い

ん~これはちょっと説明が難しいんですがなんとかわかりやすく書いてみます。

音楽を作る時って色々な音を録音して重ねますがこれらの重ねる作業をミキシングなんて言ったりします。(凄く大まかな説明ですが)
どの楽器の音を左右に割り振るか。奥行きはどの辺か等。(目の前の左にギター、右にキーボード。その後ろにドラムとベースみたいな)

で、これらをうまく調整してそのままCDにしても小さな音で迫力が無かったりします。
それはすべての音は上手くまとまっているけど全体としては音の厚みが無いんですね。

波形で見るとこんな感じ。

そこでミキシングの後にはマスタリングという工程で綺麗にまとまった音を歪まない様に(単に音を大きくしただけだと音が割れます)徐々に歪む限界まで上げて行く作業を行います。

この時点でもミキシングライクな事はしますが。
これで大きなスピーカー等で聴いたときにガツンとした音が聴けるわけですね。

普通に流通している音楽CDでガツンと来る録音波形を見ると真っ黒けに埋まってる状態になってますよ。

こんな感じに詰まった感じの波形になりますよ。

なので音楽作る時にはマスタリング専門の人(マスタリング職人様)が居られたりしまして。その方にミキシング後の音源渡して音圧上げてもらう作業をお願いします。

もう職人の手にかかるとほんと、石炭がダイヤモンドに変わるくらいの驚きの変貌をとげたりします(どんだけマスタリング下手やねん!!ってツッコミなしね)
こんな工程が一般的な音源作成の工程なのですがYOASOBIの音にはこのマスタリングやってるのかなぁ~って感じで。形跡があんまり無いって言われてますね。

※ただ自分も裏とりしてみましたがそこまで酷くはなかったけどなぁ~

この辺り例えれば塗装してない車を売るんかい!!状態なんかな?等と思ったりするわけですね。職人さんからすると。

という訳でこの辺り音楽作ってる人側に立てば同意しますが・・・でもちょっと待ってね。

音楽って何?

個人的には音楽って楽器の持つ音色や歌声、歌詞、アレンジ含めて音楽だったりするのは認めますが音質が一番に来るのは賛成できないと言うか。。。。

それって音楽とは関係ないでしょ?ってのが私の思い。

音圧なくてもイヤホンで聴いてたら正直、違いは判らない人が多いと思いますよ。

と言いつつYoutube等でも音圧低いとわけわからん動画になってるものもありますけど・・・・でも、今はストリーミング主体でイヤホンが主流です。

ストリーミングした一般流通レベル粒度のmp3音源をわざわざでかいスピーカーで鳴らして聴くとかしないでしょ?

だいたいスピーカー付きのステレオ持ってる若者なんてほぼいないでしょ?
(自分の周辺調査)

持っててもパソコンのイヤホンジャックやUSB接続若しくはブルートゥースで接続するタイプのスピーカー位で。

ほんじゃ音圧云々良いやん。って思ってしまう。

だいたいキョウビは音圧無い音源でも再生機器側であんじょう再生してくれますし。

音色に関しても、一般に音楽聴いてる人がそこまで気にしてるのかって言ったらもう気にしてないでしょ? これはなになにシンセのプリセットだとかGSの何番のギターだとか。ってか全く気にもとめてないしそんな規格自体知らんやろうしね。

食わず嫌いもったいない

そんな中でのYOASOBI大ヒット。

丹精込めて音楽に命を吹き込むと信じて作って来た人からすると、
なんで大事な作業をすっ飛ばしていきなりヒットしとんねん!!
ってなってるのかな?とも。

あと、そんな声に乗っかってしょぼいとか言う意見もよくわからなくて。

例えば
音色がしょぼかったら。
音圧なかったら。

音楽聴く気が無くなるのかな?って事で。

まぁ~正直言うと無くなるときもありますよ。あまりに酷かったら。

でもYOASOBIはそこまで言われるなくても良いと思うけど。

逆にそんな人は音楽の何聴いてるのかな?って思ってしまうわけです。

確かに素晴らしい料理もプラスチックの器に入ってきたらなんか意気消沈ってのもわかります。
でも逆にしょうもないと自分が思ってる曲でも楽器の音やマスタリングの素晴らしさですっかり虜って事もありますしね。

料理の話で言えば味の良さを感じる前に器のチープさで口に入れるのを止めちゃうってのはもったいないなぁ~と思うわけです。

一応、一口くらい食べてみたら?って。

ただ頂いたけどもやっぱり自分には合わないわ。ってのなら全然良いと思いますよ。個人の好き嫌いもあるしどうしても受け付けられない部分ってあるので。

あと「私は音に関してはウルサイです。だからYOASOBIの音はダメ」ってのは悲しいなぁ~なんて思います。
だって世の中の人でどれくらいの割合で実物の楽器や人から発せられた音を知っているのか疑問に思いますし。

そもそも評価している基準が高価なコンポで再生された音だとしたらあれれ?って思うわけですね。

自分がいい加減な性格になったのは

ここからは上から目線とか自慢してるとかではなくて自分の経験談としての話です。

自分は真空管世代の人間です。こんなのですよ。

電子の流れが光という形で見える美しい部品です。

こんな真空管を自作のアンプで色々差し替えて音に温かみが増したとかで一喜一憂したり。
ケーブル変えたり短くしたら音の抜けが良くなったとか。
球(真空管の事)は東欧のどの国産が良いとか。
スピーカー自作してワクワクって時もありました。

そんなお気に入りの組み合わせで良い音楽を聴いたら本当に幸せってのもわかります。

でも自分が楽器に夢中になってしまうと良いセットで音を再現してスピーカーの振動で身体に音圧まで感じても良い音やなぁ~で終わってしまうようになりました。
そう、

良い音楽ではなくて良い音やなぁ~

です。

自分が好きな楽器はバグパイプですが実際に演奏するとバックからの振動が身体に伝わり指先のわずかな動きが音に艶を与え繰り返しバックに空気を送る為の動作は確実に身体を蝕み続ける。そんな感覚はいくら良いセットの機材からも得られないんですよ。(今は技術がもっと発展して得られるのかもしれないけど)

他には目の前で聴いたチェロがステレオセットで聴く音と全く違ってショックを受けたり。
バイオリンって弾く人が弾くと物凄い爆音で鳴ったりCDでは聴こえない位の音が沢山鳴っていたりと。さらにその音は演奏者の耳を徐々に破壊していたり。

なので音の再現にリアリティー求めるのは諦めちゃったと言うか。

諦めて良かったのはもうかなり悪い音でも純粋に音楽のみ聴ける様になった事で(笑)

今なら空気コピーした音源でも平気です。

空気コピーって勝手に呼んでるけど要は音を再生する機械と録音する機械を並べ、せーので再生ボタンと録音ボタン押して音をダビングする事です。

究極に音は劣化するけど音楽は聴けるので(^_^;)

自分に関してはこういうわけでYOASOBI批判的な気持ちは全くないですね。

で、やっぱりYOASOBIいいと思いますよ

逆に良い部分が一杯あって。

この辺りは違う記事で書いてみたいと思ってますが触りだけ少し書きますと。

曲の構成が上手いです。

DTMで上手くコピペして作ってるんだろうなぁ~ってのがよくわかるんですよね。
そしてお約束の転調。これもソフトだと数秒で出来てしまう。
更に曲のバックに流れる高速アルペジオ。

これもソフト使うと自動で作成してくれたり非常に楽なんですよね。

これだけ書くとなんか馬鹿にしてんのか?って書き方ですが違いますよ。

この辺りが批判の対象にもなってるかと思われますのでわざわざ書いてみた。
正直私からするとこれらは良い処であります。

これらのよくあるテクニック?かもわからないけど作品としてちゃんとまとめていることに感心します。

個人的には文句言ってる間があったらプリセットでもコピペでも良いから曲の一つも作って発表したらええねん。なんて思ったりします。

あと、歌詞などはわかりやすくて上手いなぁ~なんて思いますね。

そしてボーカルの上手さ

多分、ソフトを触りながら感性で作成した曲(すみません。ほんとに口が悪い)に物凄い命とパワーを吹き込んでるのはボーカルのいくらさんだと思います。

だってシーケンサー的なフレーズで作成されているメロディーを人間ボカロ的に歌える技術ってビックリですよ。

確かに歌える人は居ますよ。ただシーケンサー的なフレーズに自然に乗って色艶与えて歌える人ってそんなに居ないと思ってます。

ボーカロイドは別ですけどね。細かくエディトッしまくってやるといい感じになりますね。

ハルジオンの1番、2番の間のブリッジ部分なんて物凄くバグパイプのフレーズ的なんですよ。
フィドルチューン聴いてる様でしたもん。バグパイパー必聴です。

DTMの世界ではよくある補正ってのもほぼ無しかと思いますし。

そのあたりはInstagramでショートライブや動画アップされているので観てみると良いかと思います。

というわけで上から目線で意見してるのではなくて単に一人のファンとして思っていることを書いてみました。

YOASOBIを良いと思う人も、あれれって思う人も人それぞれ。

お気に入りの音に出会えると良いですね。

でわでわ(^^♪

PS. 夜つながりでもう一つのお気に入りユニットは ヨルシカ♫こちらもまた記事で。